小学生のときに通っていたスイミングスクールが開催した子供向けサマーキャンプで、伊豆七島の神津島に行きました。スイミングスクールのコーチが10人以上くらい、子供は100人くらいで、スイミングスクールに通っていない子も対象でした。8月頭に4泊か5泊ほどだったと思います。キャンプコースとダイビングコースと別れていて、キャンプコースでは最初はテントを張ってキャンプ、ダイビングコースではテントはなく最初から民宿に泊まってダイビングをしました。
私が参加したのはキャンプコースのほうで、初日はキャンプ場でのテント泊のため、初日はキャンプ場で飯盒炊爨をし、カレーライスを作るのが定番でした。まだ学校でも林間学校などの体験をしたことがなかったので、初めて体験する「キャンプ場の飯盒炊爨」に緊張していました。自分より学年の上の子や大人もついている状態での飯盒炊爨だったので調理は教えてもらいながらみんなでうまくできたのですが、キャンプ場の方針で「洗い物に洗剤を使ってはいけない」というルールがあったため、カレーのついた持参したお弁当箱をうまく洗えず歯がゆい思いをしたことを覚えています。「なかなか自然は厳しい」と感じました。二日目以降は民宿泊で、焼き魚が中心の食事でしたがとても美味しくて忘れられません。魚は大好きだったので、島へ旅行に来て良かったなと思いました。
4泊も5泊も親と離れて過ごすことは初めてだったので、初年度はとても緊張しました。小学校では宿泊行事が全くなかったのと、「いま自分は四方を海に阻まれていて、親や兄弟とはどう頑張っても会える手段がないんだ」という事実がじわじわと恐ろしく、でもそんなふうに感じていることをうまく言語化できず…でも、同年代の小学生、自分よりも少し年上の小学生や中学生、コーチたちと囲まれて暮らして、そういう不安は言葉にすることなくいつしか消えて、楽しく笑っていました。ただ横になって先に周りの子たちが寝てしまうと、ひとりで起きているのがどうしても怖くてぎゅっと目をつぶっているうちにいつの間にか寝てしまうのですが、それが何日かは続きました。
泳ぐことは好きでしたが、海や砂浜で遊んだ経験がなく、海は怖いなとなんとなく思っていましたが、みんなで島中のあちこちの浜辺をかわるがわる体験して遊んで、夜には波の音に包まれて眠るという体験はすごく新鮮で、とても楽しかったです。砂浜のない海で泳ぐという体験も初めてしました。「海水の温泉に水着で入る」という体験も島で初めてしました。「水着でお風呂に入るなんて」と驚きながら入りました。
初めて行った年の終盤、「台風が接近していて、もし台風が島に直撃したら船が出られないので帰れなくなりそうだ。延泊になるかもしれない」という事態になりました。幸いにも台風がそれたのですが、その次に地震が来て、本当に怖かったです。大規模災害になるような地震ではなく震度3・4ほどだったと思うのですが、まだ小学生の頃だったので震度3ほどの地震を立て続けに体感すること自体が初めてで、しかも親から離れている場所だったので、とてもとても怖い思いをしました。
地震が来たのは寝る前、みんなで布団をひいて寝る時だったので、怖くて眠れず、眠れないままでいたらさらにまた地震が来て、怖くて泣き出してしまう子もいました。島には昔噴火したという山もあったので、「あれが噴火してしまうんじゃないか…。噴火してしまったらどうしよう。もう家には帰れないのかも」と怖くて眠れませんでした。幸い無事地震はおさまり船も来て、家に帰れたのですが、帰ってからも「島は大丈夫かな」「島の人たちは大丈夫だろうか」と心配な気持ちになりました。
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